仕事のタイプを知っていると気楽に生きられます

仕事に対する悩みは人それぞれだと思いますが、今、自分がやっている仕事はどのタイプに分類されるか理解しておくといいと思います。

仕事の前提条件;お金を稼ぐ、生活していける。
  1. 自分に投資している。(職人タイプ)
  2. 会社に投資している。(会社員タイプ)
  3. 仕組みに投資している。(起業家タイプ)
1は職人系の仕事に多いです。ITエンジニア、寿司職人などは雇われで働きながらも、常日頃から自分の技術も研鑽しています。つまり自分自身に対して投資をしています。

2は普通の会社員です。多くの年功序列型の会社では、若い時は会社に奉公して、年配になってから給料が上昇していきます。つまり会社に投資をしています。

3は起業家や、ネットでサイトを作っている人達です。自分の会社やサイトが、自動でお金を生み出してくれるように、仕組みに投資をしています。

自分が職人タイプ会社員タイプ起業家のどれに属しているか理解しているだけで、生活スタイルはかなり変わります。起業家タイプの人は、自分の仕事がどういったものであるのかを明確に理解しているので生活に納得感があります。問題は職人タイプと会社員タイプのパターンです。
職人タイプの人は、どんなに給料が安くても、どんなに労働時間が長くても、見習い期間だと思えばいくらでも働けます。仮にそれを理解しないで9時-17時という仕事をしていては、自分への投資時間が少なくなるだけで、自分で自分の首を絞めています。
会社員タイプの人は、自分が働いている会社がどんな会社なのかを見極めべきです。自分の時間を投資する価値のある会社であれば、残業代なしでもドンドン働きましょう。逆に将来的に見込みがない会社であれば残業をする必要は無いですし、そんなに頑張る必要もありません。上司に何を言われても気にする必要はありません。詳細な判断は、自分の給与明細と相談して下さい。

というわけで、仕事に対してモヤモヤしている人は自分の立ち位置を知った上で生活するといいですよっていう話でした。給与が安くて労働時間が長いって文句を言っている人達は、自分のタイプを見極めた上で対応をしましょう。

2015/11月の生活費の内訳

  • 家賃; 16900ペソ
  • 食費; 27800ペソ
  • 歯医者; 8000ペソ
  • エンタメ; 8100ペソ
  • 通信費; 1000ペソ
  • 交通費; 5950ペソ
  • その他; 3000ペソ
主要な品目はこれぐらいで、その他の細かい値も入れると一ヶ月の生活費の合計は以下の通りでした。
69900ペソ
今月はボラカイに旅行に行ったり、歯医者に行ったため費用がかかりました。セブ島の歯医者は高い。。。一応、多分、日本の保険からお金が戻ってくるはずですが。。。
なお、別途、電子書籍を購入していますが、その代金はこちらに含まれていません。

2015/10月の生活費の内訳

  • 家賃; 16900ペソ
  • 食費; 17100ペソ
  • スポーツジム ( 5ヶ月分); 5000ペソ
  • エンタメ; 7000ペソ(中国に出張したついでに観光した)
  • 通信費; 1000ペソ
  • 交際費; 2100ペソ
  • 冬服; 10000ペソ(中国に出張するために購入)
主要な品目はこれぐらいで、その他の細かい値も入れると一ヶ月の生活費の合計は以下の通りでした。
58800ペソ
なお、別途、電子書籍を購入していますが、その代金はこちらに含まれていません。

ボラカイで感じた日本人の働き方と資生堂ショック

個人的な話ですが、2015/11月の初旬にボラカイに行ってきました。そこでの生活は非常に楽しかったのですが、少し残念なことがありました。それはこの時期のボラカイには、日本人がほとんどいないということです。欧米人、中国語、韓国人、フィリピン人は多くいました。もし、中国人だけが多いならば、それは人口比率の問題だと言えます。しかし韓国人も一定数いたので、人口比率の問題ではないと言えます。なぜならば、韓国の人口は日本の2分の1以下だからです。その違いはどこから来るのでしょうか?
私はそれは働き方の違いのせいだと考えました。日本人は、基本的には決められた時間に働き、決められた時に休暇を取ります。そのため、GWや正月の渋滞、乗車率200%は日本の風物詩のようになっています。これが嫌で旅行に行きたくないという人も少なからず、いるのはないでしょうか?反対にそれ以外の時期に休暇を取る人はほとんどいません。そのため、この時期のボラカイには日本人は、ほとんどいないのでしょう。そして、私にはある疑問が浮かびます。日本人は、このままの働き方を続けていていいのでしょうか。

そんな折に、資生堂ショックと呼ばれるニュースが流れました。それは育児中の女性にもノルマを課すというものです。私はこれは、当然、行われるべきだと思います。むしろ、今まで無かったことが不思議なくらいです。自由な働き方をしてもいいけど、最低限の義務を果たして下さいという話です。これは当たり前のことではないでしょうか?
こういう話をしていると、育児中に派遣社員を雇えばいいと言う人もいますが、その場合には社員が育児から戻ってきたら派遣社員は契約終了になります。これはつまり、育児の負担を外部にアウトソーシングすることで、資生堂の社員同士のケンカを無くしているだけです。派遣社員のその後の人生を考えると、全く解決にはなっていません。
それでは、この問題を根本的に解決するためにはどうしたらいいのでしょうか。 私は、さらにこの制度を独身の女性も含めて全員に適応させるべきだと思います。ノルマがあるけど、それを達成したら、あとは休んでもいいし、13時に出勤してもいいというものです。ノルマを達成していたら、11月にボラカイに行くという選択肢もあります。成果がわかりやすい仕事の場合はこれで十分です。その世界には育児をしているお母さんも独身も関係ありません。みんなで仕事を頑張って成果を出して、達成さえすれば後は自由という現実だけがそこにあります。育児は誰がやるのかと言えば、ノルマを達成したお母さん、旦那、両親、ベビーシッターなどいくらでも方法があります。 ハッキリした成果と自由な働き方ができれば、人生は大幅に変わります。資生堂ショックを前向きに捉えていきたいですね。

2015/9月の生活費の内訳


  • 家賃; 16900ペソ
  • 食費; 16100ペソ
  • バイク(ホンダ wave); 58500ペソ
  • 原付での二泊三日のセブ島旅行; 4200ペソ
  • 通信費; 1000ペソ
  • 交際費; 2000ペソ
主要な品目はこれぐらいで、その他の細かい値も入れると一ヶ月の生活費の合計は以下の通りでした。
99861ペソ
なお、別途、電子書籍を購入していますが、その代金はこちらに含まれていません。

1932/1/8 発行 日本の軍隊は、溥儀による独立国が設立されると言っています。

Japanese Military Official Says Independent Regime Will Be Set Up Under Pu Yi.

New York Timesの特別な外電
ロンドン 1月7日
ヘンリー溥儀、 清王朝の前皇帝は、まもなく満州国の王として戴冠するとDaily Heraldが東京から伝えています。この予想は奉天のボスである板垣大佐が発信したと言われています。彼は今夜、東京に戻っていました。
奉天での独立国の設立は、前進していると板垣大佐は言っています。
日本はどんな妨害も許さないだろう。Heraldの特派員は、前の軍の大臣であるミナミのコメントについて、こう報告しています「もし、他国の軍隊が日本の意図について質問してきたら、日本は丁寧に回答を拒まないといけない」

Special Cable to THE NEW YORK TIMES.
 LONDON, Jan. 7.-Henry Pu Yi, former Manchu Emperor will shortly be crowned King of Manchuria, according to a dispatch to The Daily Herald from Tokyo tonight. This prediction, it was said, was made by Colonel Itagaki of the Japanese military headquarters in Mukuden, who returned to Tokyo by airplane today.
 The establishment of an independent government at Mukuden, according to Colonel Itagaki, is making headway.

 Japan would brook no interference, The Herald's correspondent reported. "If the powers inquire about Japan's intentions, Japan must politely refuse to answer," was the quoted comment of former War Minister Minami

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満州国の設立前に、普通にこんなニュースが流れていたことに驚きました。「数ヶ月後に国を作りますよ、他国はあまり干渉しないでね。」と言っているわけです。こうして、他国の動向を図っているわけですよね?勢いで、突然、満州国を作りあげたと思っていたのですが、実は用意周到な部分もあったのだなということを知りました。


想像力を働かせて、歴史を見てみよう。

セブ島で原付を買いました。

セブ島に数年単位で住むなら、原付が欲しいなと思いHonda Waveを買うことにしました。カブの後継機みたいなやつみたいです。セブ島で遠出した時に故障したら嫌なので、新車を買うことにしました。価格は57000ペソです。バイクを買う要件としては、パスポートだけで十分みたいですけど、電話で問い合わせると労働許可証やIDなどが必要と言われることもあります。なにせ、ここはフィリピンなので全てが曖昧です。お店に、直接、行って確認する方が確実です。
ちなみに、ナンバープレートの正式な登録が完了するまでは、三ヶ月ぐらいかかるそうです。それが完了するまでに遠出するためには、conduction permitなるものが必要みたいです。そして、これは700ペソもかかるのですが、あくまで一週間だけしか使えないそうです。そして、それは正式な登録をするまで、複数回、買う必要がある可能性もあります。二回目以降は300ペソらしい。私の場合は、よくわからず進められたままに購入しましたが、遠出を急がない人は特に買う必要がないと思います。個人的にはフィリピン政府のお小遣い稼ぎにしか思えません。しばらくの間は、ダンボールのナンバープレートで我慢です(笑)
追記;旅行中にcheck pointに遭遇しましたが、conduction permitを提出しろとは言われませんでした。ただ、免許証を見せてくれとは言われました。




セブ島で闘鶏を見てきました。

セブ島で闘鶏を見てきました。
場所はこの辺り。
「mandaue cockfight stadium」とかでggrと情報が出てきます。

入場料は20pesoぐらい。見るだけでもいいし、単純にどちらの軍鶏が勝つか賭けるのもよし。おそらく、倍率は2倍ぐらいだと思われる。勝てばお金が2倍になるし、負ければ無くなる。ただ私の場合は200ペソ賭けて勝ったのに、150ペソしか貰えませんでしたw おまけに、コーチ料とかで50ペソをせびられる始末。。。まぁ、みんな興奮状態だし、ガラの悪そうな人達ばかりだったので、素直に言うことを聞いて50ペソを払っておきました。金払いがよければ、何か揉めた時に助けてもらえるかなと思ったので(笑) あと、誰かのカモになっているフリをしていれば、他の悪い人にちょっかいをかけられる可能性は少なくなるので。
それにしても場内の熱気はすごかったです。
また軍鶏同士の戦いは、大体、数分で決着がついていました。お互いにブレードみたいな武器を足につけているので、決着が早いようです。ところで、写真にある緑の食べ物ってなんでしょうか?知っている方がいたら教えて下さい。

























太平洋戦争前の日本人は何を考えていたのか?

太平洋戦争 、いわゆる大東亜戦争時の日本人は何を考えていたのかということを考えてみたいと思います。当時の日本人は軍部に騙されていたのか。それとも昭和天皇に騙されていたのか。はたまた、何も考えていなかったのだろうか。それらの答えを出すためには、1941年、大東亜戦争が発生する前の80年間の歴史を追っていく必要があります。そこで、主な出来事を年表に並べてみます。
  1. 1868年。明治維新
  2. 1894年。日清戦争
  3. 1905年。日露戦争
  4. 1932年。満州事変と満州国設立
  5. 1937年。支那事変
  6. 1941年。大東亜戦争
それでは、1の時代から順番に追っていきたいと思います。

1、明治維新(1868年)

当時、日本は欧米諸国と二つの条約を結んでいました。
  • 治外法権
  • 関税自主権の放棄
治外法権というのは、外国人が何をしても外国の法律で裁かれるというものです。例えば、イギリス人が日本人女性をレイプしても、日本人はそのイギリス人を裁くことはできません。イギリスの裁判所が、「日本人はサルと変わらないから、レイプしても罪は軽いよ」と言えばその通りになります。そのため、イギリス人は日本でやりたい放題でした。
 関税自主権を放棄すると、どうなるのでしょうか。現代の日本は関税自主権を持っているので、外国のお米に対して大幅な関税をかけています。それによって、日本の農家は守られています。もし関税が無くなれば、日本人は外国のお米を安く買うことができるようになりますが、農家は困って生活ができなくなります。当時の日本は関税自主権が無かったので、外国から安価なものがたくさん入ってきて、多くの生産者は困っていました。
当時の日本人は欧米に対して怒っていました。

2、日清戦争(明治維新から26年後)

治外法権を撤廃して、関税自主権を日本に取り戻すためには国が強くなる必要がありました。そのため、簡単に言えば、朝鮮に対する支配力を強化するために、清国と戦うことになります。当時の戦争とは、清国の軍隊と日本の軍隊が戦うもの、つまり軍隊同士の戦いです。清国の軍隊が日本人を襲ったり、日本の軍隊が清国人を殺すようなことはしません。主に船上で、軍人同士が戦っていました。そして日本は勝ちました。
 日本人は戦争に勝つことによって、台湾を取得して、賠償金を獲得しました。でも治外法権と関税自主権の問題は残っているので、日本人はまだ欧米に対して怒っています。

3、日露戦争(日清戦争から21年後)

朝鮮半島と満州への支配を巡って、今度はロシアと戦うことになります。この戦争でも、軍人同士が戦いました。有名なロシアのバルチック艦隊が日本の近くを通りかかっても、沖縄や九州に攻め込んだりはしません。あくまで、目標は日本の軍隊でした。ここでも日本が勝つことにより、朝鮮と満州への支配力を強めました。
この戦争で勝った結果、治外法権と関税自主権の問題を解決して、日本は世界から一等国として認められました。樺太の半分も獲得しました。でも賠償金は貰えず、国民の生活は苦しかったので、国民は日本国に対して怒っていました。

4、満州事変と満州国設立(日露戦争から27年後)

日露戦争の戦費、関東大震災、世界恐慌の影響などがあり、国民の生活はいつまでたっても、よくなりません。国民はストレスがたまっていました。そんな中、当時の満州では支那人との紛争があったので、支那と戦争して満州を切り取ることにしました。元々、満州はある程度は日本の支配下にあったのでアッサリと成功しました。これに対して、日本人は熱狂して歓迎しました。
この戦争でアッサリと勝った結果、満州という広大な土地を獲得しました。日本人は大喜びです。満州には満州鉄道という日本最大の会社があったのですが、そこでは20万人以上の日本人が働いていました。いかに、大きな会社だったかがわかります。

ここで、いったん明治維新から1932年までの約60年間で日本人が学習したことをまとめてみます。

  • 戦争は軍隊と軍隊が戦うので、国民は関係ない。
  • 日本は戦争をすれば勝つ。
  • 戦争をすれば儲かり、権益が手に入る。
60年といえば、人の一生そのものです。つまり当時の大人は、ほぼ全員が上記の認識を持っており、子供にはそういった話をしていました。日本の軍隊は強くて、常勝で、勝つたびに日本は領地を増やしてきたんだと子供に言って聞かせました。

5、支那事変(満州事変から5年後)

満州を獲得したら、次は支那も獲得したくなってきました。国民は、戦争をすれば勝って、儲かるものと思っています。そのため誰も戦争を止めません。止められません。アメリカとの関係が険悪になってきても、それでも支那との戦争を止めようとはしません。日本は非常に強い軍隊で、常勝だったからです。支那の首都である南京を陥した時は、国内でお祭り騒ぎでした。戦争を止めようという雰囲気になるはずもありません。

6、大東亜戦争(支那事変から4年後)

アメリカと支那での権益がぶつかり、また、世界的な情勢がそれを後押したので、日本はアメリカと戦争することになりました。日本は初戦の連勝で、当時、欧米に支配されていた東南アジアを獲得します。これでまた儲かるということで、みんな大喜びでした。その様子は、出光さんの本に書かれています。当時、政府筋の人が石油権益を狙って非効率な組織を作り軍隊と揉めたとのことです。また、合気道の達人で有名な塩田剛三先生も当時、東南アジアにいたのですが、「みんな浮かれていたから、負けたのは仕方ない」という話を「合気道人生」の中で話されています。
ここで改めて、当時の国民が思っていたことを書きます。
  • 戦争は軍隊と軍隊が戦うので、国民は関係ない。
  • 日本は戦争をすれば勝つ。
  • 戦争をすれば儲かり、権益が手に入る。
しかし、大東亜戦争は今までとは違いました。

  • 国民は戦争に巻き込まれました。
  • 日本は戦争に負けました。
  • 戦争に負けて、全ての権益を失いました。

60年間、続いた現実が幻想であることに気づきました。

✳︎✳︎✳︎
駆け足で明治維新から大東亜戦争までの歴史を追ってみました。多分に私の予測を入れていますし、詳細な歴史を省いています。これを読んだ方は、当時の日本国民はバカだったと思うのでしょうか。私はそうは思いません。多くの人は、数十年間、続いた事実は真実だと感じますし、それは 現代でも変わりません。戦後の日本人は、土地の価格は必ず上がり続けるという神話を信じ続けた結果、バブル崩壊で多くの人が泣きを見ました。今現在で進行していることだと、国はいくら国債を発行しても大丈夫という神話があります。そう考えると、100年たっても人の本質は何も変わっていません。

想像力を働かせて、歴史を見てみよう。

セブ島での生活費(8月)

  • 家賃;16770ペソ(水道代込み)
  • 電気代;300ペソ
  • 食費;18464ペソ
  • 通信費;1000ペソ
  • 散髪;150ペソ
  • 交通費;500ペソ
  • 日用雑貨;500ペソ
  • 水着;5000ペソ
  • 遊び 代;5000ペソ
主要な品目はこれぐらいで、その他の細かい値も入れると一ヶ月の生活費の合計は以下の通りでした。
45616ペソ

電子書籍を購入していますが、その代金はこちらに含まれていません。

セブ島での生活費(7月)


  • 家賃;15000ペソ
  • 食費;12130ペソ
  • 通信費;2850ペソ(初回なのでポケットwifi費用代も込み)
  • 散髪;150ペソ
  • 交通費;400ペソ
  • 日用雑貨;1800ペソ
主要な品目はこれぐらいで、その他の細かい値も入れると一ヶ月の生活費の合計は以下の通りでした。
33180ペソ

それとは別にデポジットなどで、最初の月は3万ペソほど払っていますが、それは生活費ではないので計算に入れていません。

グローバル人材の採用はなぜ失敗するのか

前回の記事でグローバル人材になる方法についてふれましたが、今回は、なぜグローバル人材を採用しようとして失敗するのかについて説明したいと思います。
グローバル人材のおおまかな定義は前回ふれた通りです。
おさらいしますと、以下の通りです。気を遣える人の意味は 幅広いのですが、今回は経団連の資料にそって分割してみます。

  1. 日本でしっかりと働ける「人材」であること
  2. その国で通じる言語力を保有すること
  3. 気を遣える人であること(4,5以上に広義の意味)
  4. 海外との社会・文化、価値観の差に 興味・関心を持ち、柔軟に対応する姿勢
  5. グローバルな視点と国籍、文化、価値観、 宗教等の差を踏まえたマネジメント能力
グローバル人材を採用する場合に、面接で見るのは1と2がメインになってきます。もしかすると、むしろ1よりは2がメインかもしれません。そのため、言語力だけが高い人帰国子女のような人を採用して3、4、5に関しては面接等で確認しません。というかできません。そして、面接者は候補者の言語力が高いというだけで4、5もできるだろうと勝手に思い込んでしまいます。しかし実際のところは往々にして逆の結果が待っています。なぜ、そうなるのでしょうか?

なぜならば、私達はあまり気付いていませんが、日本人は4、5の能力が外国人に比べて優れているからです。日本人は元来、八百万の神を信じており、仏教やキリスト教などが伝来した時もそれらのよいところだけを取り入れてきました。地政学的な条件に恵まれ、平和な時代が長く続いたといこともあり、物事を取り入れることに関しては、非常に柔軟性をもった民族です。それに比べて、海外では一神教の人が多く、また、常に戦火に晒されていたということもあり、柔軟に対応するという土壌はあまり育っていません。そのため、帰国子女や留学などで海外の文化にふれて育ってきた人は4と5の能力が低いことが、ままあります。

グローバル人材を採用したい時は、「どう気を遣える人材なのか」というところに焦点をおくといいかもしれません。あと、基本的に帰国子女の女性は地雷が多いというのは感覚値であります。でも、これはただのシックスセンスなので、なんの根拠もありませんw

グローバル人材になるためには、どうすればいいのか?

グローバル人材という言葉が、最近、よく聞かれるようになりましが、それがどういった人材で、どうすればなれるのかということについてはあまり言及されていません。そこで私の意見を述べようと思うのですが、その前にグローバル人材について軽く調べてみました。


「日本を起点にして物事を考えるのではなく、地球規模で広く物事を考えるという視点がグローバル人材の一つの要素」
「世界に通用する人間であると同時に、日本の良さも自覚した上で働くことのできる人材」と定義した。それには「日本について客観的な目を持つことに加え、自分とは違う物の見方や考え方をする人がいるという多様性を常に意識することが大切」
なるほど。わかるようで、あまりわからないですね。
次に経団連が書いた別の資料を見てみます。

グローバル人材の育成・活用に向けて求められる 取り組みに関するアンケート

グローバル事業で活躍する人材に求める素質、知識・能力



ここでは特に以下の四つが強調されています。

  • 海外との社会・文化、価値観の差に 興味・関心を持ち、柔軟に対応する姿勢
  • 既成概念にとらわれず、チャレンジ精神を持ち続ける
  • 英語をはじめ外国語によるコミュニケーション能力を有する
  • グローバルな視点と国籍、文化、価値観、 宗教等の差を踏まえたマネジメント能力
これらは比較的、具体的に書かているのでわかりやすいですね。でも、これを読んだ人が「なるほど、こうやればグローバル人材になれるのか」と思えるような資料にはとても思えません。結局のところ、経団連もグローバル人材とはどういったものなのか理解していないように思えます。
どうしてこんなに曖昧な話になってしまうのか?という点をふまえて、私なりのグローバル人材の解釈を述べてみます。

グローバル人材とは二つにわけられます。
一つ目は抜きん出た才能を持つ人達です。
例えば本田宗一郎、盛田昭夫、松下幸之助、出光佐三など、日本が輩出した起業家たちです。彼らは英語など話せなくても、自分たちの実力を武器に世界で堂々と闘って成功を収めました。また塩田剛三(合気道の達人)などもグローバル人材と言っても差し支えないかと思います。彼の元には多くの外国人が教えを請いにきました。勿論、彼は英語を話すことなどできません。むしろ、合気道を習いにきた外国人が必死で日本語を学ぼうとしました。彼らは経団連の条件のいくつに当てはまるでしょうか?既成概念にとらわれず、チャレンジ精神を持ち続けていたことは、当てはまると思いますが、他に関してはどうだったのかはわかりません。自らが「抜きん出た人材」となることで、むしろ外国人が教えを請いにきていた側面すらあったと思います。つまり抜きん出た人材であれば、そこには日本国内、海外といった枠は関係ないということだと思います。

二つ目のグローバル人材とは、もう少し一般的な話で、以下の三つの条件を満たしている人だと思います。
  • 日本でしっかりと働ける「人材」であること
  • その国で通じる言語力を保有すること
  • 気を遣える人であること
グローバル人材であるために、まずは「人材」である必要があります。そして次にコミニケーションがとれるだけの言語力を有し、最後に気を遣える人になる必要があります。
まず「人材」になるためにはどうしたらいいのでしょうか?これは仕事をして覚える以外に手はありません。内容にもよりますが、2、3年かかるものから、10年かかるものまで様々でしょう。そのまま「抜きん出た人材」になれればそれでいいのですが、そういった人達ばかりではありません。そういった人達は、次に言語力を磨くべきです。これはレベルが高いに越したことはないのですが、そこまで高い能力は必要とされません。なぜなら、仕事で使う単語は限られているからです。さらに、あなたがすでに「人材」であるならば、そのフィールドにおいては言葉が通じなくても理解できる可能性が高いからです。TOEICで言えば、600点ぐらいの英語力があれば十分です。でも繰り返しになりますが、言語力は高いに越したことはありません。
最後に気を遣える人材になる必要があります。これは曖昧な言葉ですが、日本人ならば理解できるはずです。元来、日本人はそういったことには秀でた民族でした。「おもてなし」という言葉もその表れです。しかし、昨今の日本人はこの能力が落ちてきていることも確かです。気遣い云々の前に、人に対する関心が著しく減ってきています。街中でもスマートフォンなどを見ているせいか、人に対する「気付き」が非常に少なくなってきています。最近、女子高生が、おかしなオッサンに階段から突き落とされた事件がありました。原因は、電車内で携帯電話の使用方法について、彼女とオッサンが喧嘩したからだそうです。このオッサンの頭がおかしいのは勿論ですが、この女子高生はオッサンのおかしな態度に気付けなかったものでしょうか?この女子高生のように人に対する関心が低いと、人に対する気遣いもできません。
私の経験でもこんなことがありました。ある大きな道路を自転車で走っていたところ、横断歩道の前で、白い杖を持っている盲目っぽい女性が立っていました。周りにも多くの人達がいます。私はチラッと見てなんとなく気になったので、慌てて引き返して「タクシー待ちですか?」と問いかけました。彼女は「はい、そうです」と応えたので、私はタクシーをつかまえて、彼女を乗せてあげました。日本人は基本的には優しいので、盲目の女性がタクシーをつかまえようとしていると気付けば、多くの人が私と同様の行動をとります。しかし、その合図にはなかなか気付けません。また気付いても行動にうつしません。なぜならば、もし女性がタクシー待ちでなかったら、恥ずかしいからです。それを割合で示すとこんな感じだと思います。
なんらかの合図に気付く人 → 50%
それにそって行動できる人 → 10%
つまり100人いて、合図に気付いて行動できる人は5人ぐらいだと思います。こういう人達を、私は「気が遣える人」だと思います。

上記の内容を簡潔にまとめるとこうなります。
グローバル人材になる方法
  1. 人材になる。→ 抜きん出た人材になる。= グローバル人材
  2. → 言語力を身につける。
  3. → 気を遣えるようになる。= グローバル人材
日本人が日本人らしく働いて、言語力を高めれば普通になれるのがグローバル人材なのかもしれません。

ちなみに、同じグローバル人材ですが、この二つは意味合いが少し異なるかもしれません。グローバル人材を育てる時の話であれば、どちらを指しているのか定義をハッキリさせてから話すほうがいいかもしれません。

【書評】それから(ボンボンニートの恋愛小説です)

「それから」が書かれたのは1909年で、著者は千円札でおなじみの夏目漱石さんです。時代背景で言うと、日露戦争が終わったのは1905年ですので、戦争に勝ってから4年後の話ということになります。戦勝国気分に沸いている頃の日本のボンボンニートの恋愛ストーリーと考えると、非常に親しみが湧いてきます。

この話の主人公は30歳のニートで、親からの仕送りで暮らしています。今でいうとパラサイトシングル、というか親のお金で一人暮らしをしながらお手伝いさんを雇っているので、かなり性質の悪いニートということになります(笑)そんな彼にも縁談の話がやってきます。羨ましい限りです。ニートなのに縁談話、しかも相手は美人で親は金持ち。最高の話ですよね?私なら確実に結婚します。なのに主人公はどうも煮え切りません。何かが心に引っかかっているようです。

そんな主人公は、世の中の世相についてこんなことを述べています。「都会じゃ同じ相手を想い続けるなんて至難の業だ。現代の都市では人はあまたの心動かされるものに接触しうる...つまるところ、現代の都市とは人間の展覧会もしくは見本市みたいなものなのだ。誰も彼も用があれば相手と自由に恋愛している。都市は都会人同士、皆が関係をつくりやすく配置されている。つまり皆が皆、芸妓だ」
これは今でも通じる内容ではないでしょうか?それが1909年の小説に描かれていることに、私は非常に驚きました。今の東京でも、人は自由恋愛を楽しみ、それがゆえに結婚を躊躇うという状況がおこっています。日本人が日本人である限り、時代は変わろうとも男女関係はあまり変わらないことがよくわかります。

そして話を進めていくうちに、主人公の人生が停滞している理由が明らかになります。
数年前、主人公には付き合ってはいなかったものの仲がよい女性がいました。しかし突然、おこった環境の変化に翻弄され、その女性と結婚することにはなりませんでした。そして、その女性は主人公の友人と結婚することになります。主人公はそれを祝福しましたし、一件落着したかのように見えていました。でも主人公は、その時に自分の本当の気持ちに気づいていなかったのです。それは、その女性のことが大好きだという気持ちです。自分の気持ちに気付いてしまった主人公は、それを抑えることができません。時が止まってしまった人生を動かすべく、友人の妻を奪うことに躊躇いながらも、それを実行しようとします。。。

男が女を想い続けることは、今も昔も変わらないなとつくづく思いました。悪くいえば男は100年前から未練がましいのかもしれません(笑)三角関係、略奪愛、こういう恋愛小説を娯楽として楽しんでいたのが戦前の日本人です。今の日本人と全く変わりませんね。
興味がわいたら、是非、読んでみて下さい。

【書評】明暗(恋愛小説です)

明暗を書いたのは、夏目漱石という方です。書かれたのは1916年なので、およそ100年前の話になります。夏目漱石というと、千円札の人、坊ちゃん、教科書に名前が書かれている人というイメージだと思います。ただ、そこから想像されるイメージだと堅苦しいので、なかなか多くの人に興味を持ってもらえないと思います。でも夏目漱石は恋愛小説も書いており、それはいま読んでも面白いんだということを伝えたいと思います。

物語はある夫婦の主人の話が主題となっています。その男は由雄といい年齢は30歳です。一応、働いてはいるのですが、夫婦揃ってお金にだらしがないので、結婚してからも親から仕送りをしてもらっています。 2015年の現在でも十分に通じる設定です。漱石さん、流石です!そういった環境のせいもあるせいか、由雄は常に心にちょっとした不満を抱えています。夫婦関係、友人関係、家族関係など不満は様々です。由雄は人を小馬鹿にしがちな性格です。でも、そういった生活も長くは続きません。生活態度を見かねた周りの人が、由雄に説教を始めます。そして、問題の原因は由雄が昔、付き合っていた清子への未練にあるのではと問い詰めます。事実、由雄は夢に清子が出てくるほど、未練がありました。彼女はなぜ、俺の元にいないんだ。なぜ、彼女は他の家に嫁ぎ、俺は別の女と結婚したんだ。未練たらたらです。それを解決するには、由雄が清子に会って解決するしかありません。ということで周りの勧めもあって、由雄は清子に会いに行きます。
由雄は会いに行く道中もこんなことを考えています。
別れた理由なんか知らないまま、清子さんを思い続けているのが幸せかもしれない。あの頃のまま。美しい夢のまま。清子さんに背を向けられてから、途切れてしまった俺の夢。夢の終わりを見るために、夢の続きをたどる必要があるのか。
こんな感じで、いかにフワフワしているかがわかります。繰り返しますが、これが100年前の文学なんです。男が未練がましいのは、今も昔も変わりません。 この小説を読んで私は、明治の人に親近感が湧きましたし、恋愛はいつの時代も変わらないもんだなと思いました。男女がいて、別れがあって、男は元彼女を想い続け、今の彼女は元彼女に嫉妬する。私も周りでそういった話を聞いたとがあります。100年たっても色褪せることのない人間ドラマを、是非、楽しんでもらえればと思います。

【書評】マーケット感覚を身につけよう(4)

成功の鍵は市場の選択

ちきりんさんは、何かで成功するためには「市場の選択」が重要だと説いており、婚活を例に出して説明しています。
20代で、見かけも性格もよく、学歴と年収が低い男性は、どこで結婚相手を探すべきでしょうか?
 選択肢はいくつかあると思います。

  • 街コン
  • 結婚情報サービス
  • 友人の紹介
ちきりんさんは、街コンか友人の紹介を選択すべきだと回答していますし、私もそう思います。大して社会ステータスを持っていないならば、結婚情報サービスに登録する意味は少ないし、自分の外見とトーク力を発揮できる街コンの方がベターに思えるからです。結婚情報サービスに登録している人は、条件を気にしている人が多そうですし、また検索画面を利用して年収で絞っていることが容易に想像できます。しかし自然な出会いの場合には、そういった社会ステータスを気にする人ばかりではありません。

しかし、以前にテレビに出演していた男性は結婚情報サービスに登録して、200人もの女性に会うことを断られたそうです。自分のよさをアピールできる機会がもっとも少ない場所で口説こうとしたためです。

「どうやったら彼女ができる?」という質問に対して多くの人はこんな感じで応えます。
  • 収入をあげなさい。
  • かっこよく、お洒落になりなさい。
  • 話を盛り上げなさい。
  • 優しくなりなさい。
どれもこれも決して間違ってはいないのですが、その前に自分のよさを発揮できる場所を選択するのが必須条件です。社会的ステータスが高い人は結婚相談所へ、話が面白い人は街コンへということです。

市場選びの大切さはわかってもらえたでしょうか。私の場合は、自分のよさを発揮するためには、婚活市場を日本だけに絞る必要すらないと思っています。例えば、フィリピンに行けば日本人というだけで価値が上がります。フィリピン人女性に対しては、日本人と結婚することで下記のメリットが加わります。
  • 結婚すれば日本のVISAが手に入る。
  • 日本人の給与は、フィリピン人からすれば高い。
日本人男性は、こうして下駄をはかせてもらった上で、女性を口説くことができます。それでもさらに価値をつけたいならば、ファッションセンスとかを意識すればいいのです。日本人であるメリットに気付き、そしてそれを利用すること、これも立派なマーケット感覚だと私は思いました。

【書評】麻雀力が目覚める打ち方

桜井会長は、最近は人生論の本を多く書かれているのですが、久しぶりに麻雀の戦術論について書かれた本がこちらです。

桜井会長こと桜井章一は勝負の世界では有名な人で、特に麻雀においては20年間無敗を誇っていました。引退後は弟子 の育成もおこなっており、過去、何人もの弟子が麻雀最強位戦に出場して優勝をしています。現最強位であるサイバーエージェント社の藤田社長もかって、桜井会長の元で麻雀を学んでいました。桜井会長は、麻雀が強いのは勿論なのですが、麻雀の持つ偶然性を大事にしているところが普通の人には理解しづらいところであり、面白いところでもあります。世間では雀鬼流と呼ばれていて、その是非は麻雀界において常に議論されています。

さらば面前主義、プロでもできない驚きの鳴き

ここでは、普通の人がアッと驚くような鳴きの数々が例をあげて説明されています。
  • 混一色が好まれるので、字牌と端牌を残しながら他の面子のタネを切っていきます。
  • ①②③とあるところから②③で④を鳴いてタンヤオを狙っていきます。
この鳴きの背景には会長の大事な考え方があります。
みなさんは目の前の手牌だけを見てアガろうとしますが、アガれなくても、いい形のリャンシャンテン、イーシャンテンを目指す人の方が結局は勝つのです。
麻雀に限らず何事においても、何かが起きたときは必ず要因があるのです。それは近くにある場合もあるし、ずいぶん離れていることもあります。
通常はアガればいいという考え方が普通ですが、会長の場合は半荘全体を見据えた考えた方をしています。また、人にはわかりづらい因果を見据えての言動が実に会長らしいところです。出来メンツからの鳴きについて、私は考えたことがなかったので、非常に勉強になりました。

結果に一喜一憂しない、リーチかダマか

麻雀は先にすすまないといけません。テンパイからリーチ、リーチからツモ、ツモから一発や裏ドラと、麻雀は進めていくものなのです。
通常だと、少し高いとリーチせずにダマであがってやろうというのがセオリーですが、先を見据えた考え方がここにも見てとれます。

このように具体例を出しながら、一局一局の損得だけを考えた麻雀ではなく、全体の因果を捉えた麻雀観を話してくれます。そのため状況によってはフリコミにも価値をおきますし、テンパイしていない状況での字牌の切り出しが禁止されています。これは両方とも麻雀という場を作り出すために決められていることです。そういった麻雀の打ち方を通して、打ち手の人格を語るのも会長の特徴です。ドラの字牌を鳴かせてしまって、自分はさっさとオリる人は、麻雀のウデだけではなくて人格面もどうなのと疑問を呈しています。そういうケースの場合、麻雀をあまりわかってないだけの場合もありますが、その人の本質的なズルさがそういうところで見え隠れすることもあるなと私は経験上、感じています。このよう感じでこの本では、麻雀の戦術論、人生論、偶然性などについて学ぶことができます。

最後に、この本で一番、気になった質問と回答の一部をのせます。
裏ドラはどうやって読むのですか?
おそらくあなたには読めません。麻雀には必然性と偶然性が入り混じっており、偶然性を読むことは至難の業です。これを身につけるためには、重厚な麻雀実戦体験や分析力が必要だし、さらには予知能力も必要です。本当の麻雀の必勝法を追求するなら、絶対にこの予知能力が必要になってきます。
この能力は野生の動物は持っている能力ですし、かっては人間も持っていた能力だそうです。普段の生活と麻雀を通して、こういった能力を呼び起こすことができれば普段の生活は一段と違ったものになるのかもしれません。

桜井会長と雀鬼流に興味を持った方は、是非読んでみて下さい。

【書評】マーケット感覚を身につけよう(3)

マーケット感覚と就職・転職活動

今回はマーケット感覚と就職活動についての概要をお話しします。ニュースでたまに見かけるポスドク問題をご存知でしょうか?これは大学と大学院で長年、勉強して博士号を取得したにも関わらず、その高学歴の人達が正規の職員になれずに安い給料で働かざるを得ない問題を指しています。また、弁護士の就職難という話を聞いたことがありますか?これは司法試験という難関な試験に合格した弁護士が、職探しに苦労している問題を指しています。

どうして、このような出来事がおこるのでしょうか?答えは簡単です。その職に対する仕事の需給が崩れたためです。昨今の少子化で子供が減っている中で、新しい教員が必要でしょうか?そんなはずはありません。子供が減り続けるので、必要とされる教員も減っていきます。弁護士の場合は、数年前に法科大学院が多く作られて、そして多くの弁護士が社会に供給されましたが、仕事自体は特に増えていません。それについて、ちきりんさんはこう述べています。
博士、弁護士、医師のように、国や業界団体が政策的に供給数を決める職業の場合、それを決める人に市場を読む能力(マーケット感覚)が欠けていると、一気に需給バランスが崩れます。
職業別に仕事の需給をまとめるとこうなります。

Webエンジニア 

  • 需要はマーケットで決まる。増加
  • 供給もマーケットで決まる。
弁護士

  • 需要はマーケットで決まる。→横ばい
  • 供給は政府が決める。
博士

  • 需要はマーケットで決まる。↓減少
  • 供給は政府が決める。
医者

  • 需要はマーケットで決まる。
  • 供給は政府が決める。
薬剤師

  • 需要は政府が決める。
  • 供給は政府が決める。
公務員

  • 需要は政府が決める。
  • 供給は政府が決める。


みなさんだったら、どれを選びますか?
Webエンジニアは仕事の需要は増えていきますが、ライバルも増えていきます。

弁護士は、仕事の需要は横ばいなのに、ライバルだけが増えていくので過当競争になりそうです。

博士は、仕事の需要は減っていく一方で、供給は増えていくので非常に辛い仕事と言えます。将来的に供給は横ばいもしくは、減っていくとは思いますが。

医者は、仕事の需要は増えますが、ライバルは特に増えないので有望そうな仕事です。でもその分、参入障壁が高いので、医者になるのは簡単ではありません。

薬剤師に関しては判断が難しいところです。需要は伸びていますが、それはマーケットによる判断ではなく、政府の規制によるものです。医者の言うとおりに処方箋を出すだけの薬剤師が本当に必要であるのかどうかは、誰もが疑問に思うところです。将来的にその規制が撤廃されると、博士と同様に供給だけがいたずらに増えていくことになり、「薬剤師の就職難」というニュースを目にする日が来るのかもしれません。

公務員は人口減社会での需要は少なくなり、そして採用は絞られています。採用は絞られているので最初の狭い門をくぐれば、その後は楽ができるかもしれません。ただ人口減社会が急速に進むと、公務員が解雇されるという日が来る可能性もあります。これは財政破綻した夕張市の現状です。
仕事量は変わらないものの、職員数はほぼ半減の120人近くにまで減らされ、給与も当初は年約4割削減された。「懲戒処分を受けたようなもの。私の場合の年収は、およそ200万円近く減って300万円になった」
どれを選択するかは、その人次第です。私の場合は需要がマーケットで決まり、その需要が伸びる業界で働きたいのですが、需要が政府に守られている場所で働きたい人もいると思います。その場合は、その需要がいつまで政府に守られ続けるかは定かではありませんが。そういったことを考えていくのも「マーケット感覚」です。そういった視点を養うためにも、是非、読んでみて下さい。

【書評】マーケット感覚を身につけよう(2)

相対取引から市場取引へ

次にちきりんさんは、マーケット感覚の土台となる市場について説明しています。
「社会の市場化」-この言葉は、過去10年間に起こった日本社会の変化と、次の10年間に起こるであろう変化の両方を、最も的確に捉えることのできる話です
ちきりんさんは、この件について就職活動を例に出して説明します。1960年代の就職活動では、同じ村の出身、高校の卒業生などのコネクションを元に就職活動をすることもありました。今でいえばコネ採用のようなもので、これを相対取引とよんでいます。

それに対して、市場取引は全く違います。
市場取引では、学生がリクルートやマイナビなどの企業がインターネットを利用した応募システムを使用して就職活動をします。このシステムを使えば、先生の推薦や親戚のツテがなくても、誰でもどこの企業でも応募できます。つまり、全学生が全企業を相手に就職活動を行うということが可能になりました。

そしてこう述べています。
地方に生まれた人や、有力な先輩や親戚のいない家庭に生まれた人の得られるチャンスは、飛躍的に大きくなったのです。市場は弱者に厳しいとよくいわれますが、むしろ反対に、持たざる者に大きな可能性を与えるのが、市場の特徴なのです。
これについて、私はなるほどなと思う一方で、少し疑問を感じました。というのも「弱者」と「持たざる者」が必ずしもイコールではないからです。「むしろ反対に」と述べているけれど、反対になっていません。これをもう少し整理してみるために、4種類の人間について考えてみます。
  1. コネがあって能力が高い人
  2. コネがあって能力が低い人
  3. コネがなくて能力が高い人
  4. コネがなくて能力が低い人
相対取引では赤字で書かれている人が得をしていて、青字で書かれている人が損をしていました。ところが市場取引では以下のようになります。
  1. コネがあって能力が高い人
  2. コネがあって能力が低い人
  3. コネがなくて能力が高い人
  4. コネがなくて能力が低い人
市場は人を判断する指標を「コネ」から「能力」に変えました。

婚活市場も同様です。「日本中から自分に合った相手を選ぶ」という市場の仕組みに伴って、「よほど嫌な相手以外ならOK」ではなくて「満足できる人を見つけて結婚したい」と考える人が増えました。結果として就職市場同様、一部の人に人気が集中し、マッチングからあぶれる人が出てきてしまったのです。
それについて、ちきりんさんはこう述べています。
就職市場において「就職したいのにできない」人が増えたように、婚姻市場においても「結婚したいのにできない」人が増えているのも、また事実です。
私はこれを読んで市場化というのは、本当にいいことなのかなと疑問に感じます。上記の図だけを見ると、コネ主義ではなくて能力主義になったのだから、いい世の中になったと思う人が多いかもしれません。しかし、実際のところはどうでしょうか?

相対取引の頃は1、2、3番の人が職を持てたし、結婚できていたと思います。ところが市場取引になってからは、1、3番の人のみが職を持てて、結婚できるようになりました。結果として全体のマッチング数は下がっている可能性があります。それが昨今のワーキングプア、ニート問題であり、貧困化するシングル女性問題でしょう。 「結婚なんてせずにもっと働きたい」という女性が働き続けられるようになった反面で、昔だったら結婚していたはずの女性が結婚できなくなってしまったということです。

また、話はそれだけではなく、こうも述べています。
社会の市場化が進むと、これまでとは異なる「ゲームのルール」が適用されるようになります。
そのルールとは、ローカルマーケットの統合とマーケットのグローバル化です。昔なら、「〜町で人気」という基準でしたが、今では「楽天市場で人気」という基準になっています。つまり、ネットを通じて対象となる客が拡大した一方で、ライバルも増えたということです。言語の問題さえ解決されれば、婚活市場もそのようになります。英語が公用語であるフィリピン人女性がネットを通じて外国人男性と結婚するという話は、婚活が市場化されているいい例だと思います。フィリピン人女性にとって、選択できる男性が増えたことは非常に喜ばしいことかもしれませんが、フィリピン人男性にとっては辛い事実だと思います。

こうして考えると社会の市場化が何をもたらしているか明らかです。次回以降に、別の章を読みながら、マーケット感覚を通して見える世界を紹介していきたいと思います。

【書評】マーケット感覚を身につけよう(1)

マーケット感覚とは?

この本を買う前に「マーケット感覚」とは何なのかを知っていると、よりよいかもしれません。マーケット感覚とは、金塊を価値あるものだと認識できる力に似ているとちきりんさんは説明しています。子供は金塊を価値あるものだと認識できません。しかし、大人になるにつれて、次第に金塊を価値あるものだと認識できるようになります。

それと同様に、世の中には価値があるのに、価値を見出されていない物がいくらでもあります。その価値を見出す力を「マーケット感覚」とちきりんさんは命名しました。

この本の目的

マーケット感覚とは何かを説明し、なぜそれが大事なのか理解していただき、マーケット感覚をみにつけるための具体的な方法を提示すること
実例を出しながら丁寧に説明しているので、非常にわかりやすく理解できると思います。

市場価値について 

たとえ物々交換であっても、不特定多数の買い手と売り手がマッチングされ、なんらかの価値を交換するなら、それらの場所は、すべて市場と呼ぶことができます。この定義に沿って考えれば、就職活動も学校選びも、すべて市場です。
まず、ちきりんさんは「市場」を再定義しています。(参考までに、wikiだと「定期的に人が集まり商いを行う場所」と定義されています。)そして、その新しい定義に沿えば、お金が動く場合だけに限らず合コンも市場と言えます。つまり、幅広い意味合いを持つことがわかります。そしてこの市場で取引されている価値は、実際に我々が認識している価値と違う場合があることを、車を例に出して説明しています。
高度成長期、自動車を買う人が手に入れようとしたのは、「豊かに見えるという価値」であり、「女の子をデートに誘いやすくなるという価値」だったのです。
通常であれば、自動車の価値は移動手段・運搬だと考えますが、マーケット感覚から考えると、上記の価値も含まれます。そうなると、同じ価値を持つものも車だけでは無くなり、それについてこう説明しています。
たとえば現在では、どこに美味しいスイーツを出す穴場のお店があるのかという情報のほうが、「女の子を誘いやすくなる」という価値が高かったりします。
このように例をあげながら、市場を見たときにそこで取引されている価値を理解できる能力=マーケット感覚の大切さを説いています。この話は、実際に飲み会でしたら「ゲスい奴だな〜」なんて突っ込まれそうな気もしますね。

この件を見て、私はオンライン英会話をマーケット感覚で分析してみました。オンライン英会話で提供している価値は、基本的には英語のレッスンなので、ライバルはリアルの英会話学校になります。でもマーケット感覚から考えてみると、「話し相手としての価値」も提供しているので、キャバクラやガールズバーもライバルになります。また「婚活相手としての価値」も提供しているので、結婚相談所もライバルと考えられます。ホントにと疑う人もいると思いますが、日本人生徒とフィリピン人先生の間での結婚は、決して珍しいことではありません。
まとめるとこうなります。
オンライン英会話のライバル
  • ベルリッツなどのリアルな英会話
  • キャバクラ、ガールズバー
  • 楽天オーネットなどの結婚相談所
マーケット感覚は、自由な発送で面白いですね。みなさんも本書を読んで、マーケット感覚による自由な発想に、是非、挑戦してみてください。

【書評】運を支配する(3)

準備不足を運のせいにしない

桜井会長
「準備、実行、後始末」でワンセットであり、その循環をちゃんとすれば、次の「準備、実行、後始末」に綺麗につながっていく。
 準備が万端であっても、実行の悪い要素が潜んでいることはいくらでもある。だが、準備というのはそんなことも想定した上でなされるべきなのだ。準備をあれほどちゃんとしたのにといって運のせいにしてしまえば、その人の成長はそこで止まってしまうのである。
藤田社長
想像することを軽く考えていないか
以前、深夜にタクシーを呼んでずっと待たせていた社員を滅多に怒らない僕が強い口調で叱ったことがありました。
またレストランに団体の予約を入れていて、前日になって平気でキャンセルした社員も同様に叱ったことがあります。
タクシーやレストランの人とはもう二度と会わないと思っているかもしれませんが、そういう姿勢は必ず他のところでも表れます。そして自分でも気づかないうちに他人の恨みを買って、運気を下げていくのです。
この件は、この本で私が一番すきなところです。準備の大切さは言うまでもないことです。零戦の撃墜王で有名な坂井三郎氏も準備の大切さを説いており、パイロットに大切な能力は視力であると考えて、視力が上がるように遠くを見る練習を重ねて、ついには昼でも星を見られるようになったと言っています。

また、昨今はITエンジニアが非常に需要の高い職業になっていますが、できるエンジニアは土日に勉強している人がほとんどです。それにも関わらず仕事では上手くいかないことも、ままあるわけで、改めて「どういった準備をしておくべきなのか」ということを考えさせられます。

人や立場によって態度を変える人がいますが、私はそういった人を見るたびに馬鹿だなと思います。因果応報という言葉があるように、いつかその人自身に返っていくものです。そういったことを大会社の社長である藤田さんが発言してくれるとは、世の中はまだまだ捨てたものじゃないと思います。



負けない一番手の条件

桜井会長
一番でいることに囚われすぎず、相手のことも考えながら全体をいいほうへ引っ張っていける一番手こそ、真に優れた勝者なのである。
藤田社長
一人勝ちは損をする
当初先方は真似されたとカンカンに怒っていましたが、結果的には競い合いながら市場はどんどん大きくなり二社とも売り上げを伸ばすことができたのです。
目先の利益に惑わされて、仕事の成果を独り占めしようとする人がいます。ところが、こういう人は次第に周りから嫌われて、誰も協力してくれなくなります。短期的には「得をした」「儲かった」とその人は思っているかもしれませんが、長い目で見ると、信頼を失い、非常に損をすることになるのです。
なかなか自分自身が一番になった経験がないので、難しい話だとは思いましたが、仕事においても、他人あっての自分というのは常に心掛けていきたいと思います。

不調こそ、我が実力

桜井会長
調子がいいとすぐ浮かれて「これが元々の自分の実力なんだ」と思い上がるのに、逆に調子が悪いと「いや、これは本来の自分の出来ではない」と素直にその事実に向き合わない。
私は「不調こそ、我が実力」と思うようにしている。そう思っておけば、実際調子が悪いときでも余裕が生まれる。
藤田社長
つまり普段自分で感じているよりは少し下あたりに自分の基準を置くのが、ちょうど座りがいいように僕には思えるのです。
調子とはいつもブレているものだと思いますが、常に二人の言葉を意識して謙虚に生きていきたいと思います。

【書評】運を支配する(2)

雑用を軽んじると運から見放される

桜井会長
だが、雑用だからといって「雑」に扱っていいものではない。なぜなら雑用とは仕事の「基礎」であり、「現場」のことを指すからだ。だから仕事から雑用を引いてしまえば、仕事は成り立たなくなってしまう。運からも見放されることは間違いない
藤田社長
雑用でも全力でやっている人がいると、それを見て人は「他のこともやらせてみようかな?」「そんな細かいことまでやってくれるんだ。頼もしいな」というふうに考えるのです。
会社の仕事には、特別に高いスキルが必要なわけではなく、誰がやってもいいけど、誰もやりたがらないような雑用的な仕事もあります。そういう仕事を積極的に拾って、みんなが気持ちよく仕事をできるような環境を作れる人というのは、価値があると思います。また、そういう仕事を評価してくれないような上司の元では働きたくありません。雑用とは本当に大事ですね。


ポジティブ思考は成長を妨げる

桜井会長
ポジティブ思考をいつも心掛ける人は、実は人としてあまり成長しない。辛い時や悲しいときに、ポジティブ思考で無理に明るく振る舞おうとすることは、嫌な現実から目を背けた逃避行動になるからだ。心の成長というものは、自分の弱かったりダメだったりする部分をしっかり見つめることでなされる。
藤田社長
問題が起きたときに、ポジティブ思考で楽観的に構えている人はとても気になります。「大丈夫ですから」「なんとかなりますよ」というのは逃げの裏返しでもあって、問題の深刻さと真剣に向き合ってないかと僕には思えるからです。
すごい人がいいけれど、出世はしないし年収も低いままという人を何人か知っています。ハングリー精神が足りないという言葉だけでは、うまく説明できないなと思っていたのですが、桜井会長の言葉を聞いて納得できました。ネガティブすぎても駄目で、ポジティブすぎても駄目。難しいものです。


ネガティブな連想は意識的に切る

仕事のやりとりで返事がないのは困るが、プライベートであれば返事がこないことに対しては「返事がない」という事実だけを受け止めて、そこからいろいろな想像をすることを「止める」ことが大事だ。ひとたび連想が始まると、返事がこないということに心が囚われて止まってしまう。
昔は、私もネガティブな連想に囚われがちだったのですが、最近は気にしなくなりました。女性をメールで飲みに誘ったけど、返事が返ってこない。まぁ、そんなこともあるか〜と諦めていたら3週間後ぐらいに、飲みにいきましょうって返事が返ってきて逆にビックリ。もしネガティブに囚われていて、催促のメールとかをしていたら、きっと永久に返信は来なかったと思います。


「終わり」を「始まり」にすると、ツキが持続する

桜井会長
何かが終わったら、チャラだと考えるのである。終わってしまえば、それまでのプラスもマイナスもすべてゼロに戻るという感覚なのだ。
藤田社長
知り合いで昔ゲームを大ヒットさせた人がいるのですが、その人は会うたびにヒットしたゲームの話をします。ヒットさせたのはかなり前のことで、それ以降はあまりヒットを出せていません。本人の気持ちとしては、そこしか自分の拠り所がないのかもしれません。しかし、昔話を聞かされるたびに「この人はものすごく停滞しているな、大丈夫かな」という感想を抱いてしまいます。
桜井会長が「土に還れ」とよく言っているのは、このことだと思います。それだけだと抽象的でわかりづらいのですが、藤田社長はわかりやすく説明しています。私の友達にも昔話しか、盛り上がれる話をできない人が年々と増えてきています。きっと、人生が停滞しているのでしょう。終わりを始まりにすることは、年をとるにつれて難しいものです。

楽を求めると楽にならない 

桜井会長
私が接する若い世代なんかを見ていると、「楽をしたい」という思いを持った人が昔よりも増えているなと感じる。
しかし、楽ばかりを求めていると、人は成長しない。厳しい状況を耐え忍んだり、それを乗り越えていく力は育まれない。 
藤田社長
もしハワイへ行って毎日ブラブラと楽な生き方をしてしまったら、自分があまり成長しなくなり、社会的な使命感も持てず、生きがいを感じることもないだろうなと思います。最終的には退屈して苦しい思いをするという、ネガティブのスパイラルに入っていきそうな気がするのです。
楽な道を選ぶと、いつまでたっても楽に生きることができないというのは、逆説的で非常に面白い話です。私自身、楽したいなと常に思っているのですが、その結果としてITの勉強や英語の勉強をする羽目になり、いつも内心で苦笑しています。

【書評】運を支配する(1)

この本の背景

サイバーエージェントの藤田社長を知っている人は多いと思いますが、桜井章一を知っている人はそれに比べると、まだまだ少ないと思います。でも麻雀や勝負の世界において、知らない人はいないほどの有名人です。桜井会長は現役時代において麻雀で20年間無敗を誇っており、麻雀プロで彼を知る人の中には「桜井会長は超能力者ですから」と言う人もいるほどです。麻雀プロをはじめ、麻雀を真剣にやったことのある方の多くは雀鬼会の道場に行ったことがあるはずです。

私がこの本に興味を惹かれたのは、藤田社長と桜井会長(桜井章一は雀鬼会で会長と呼ばれている)の間にある20年という月日を経た物語に興味があったからです。20年前、藤田社長は雀鬼会の道場に通う麻雀が強くなりたい、どこにでもいるわけではないけど、それなりにいる麻雀好きのいち学生でした。彼は社会人になってからは麻雀から距離を置き、そしビジネスで大成功を収めました。ところが2014年に、突然、麻雀の最強位戦に出てタイトルホルダーとなります。そして麻雀の縁を通じて今回の共著を出すにいたりました。それについて桜井会長はこのように述べておられます。
世間で価値あるものを捨てていった私と、反対にたくさんのものを拾い集めている藤田君とでは住んでいる世界が違うと思っていた。
だが、見えない不思議な縁がどこかにあったのだろう。 
また桜井会長はこうも述べています。
本書の白眉は、藤田君が丁寧に思考を重ね、ときに身を捩るようにしながら、私の語る運やツキの話を仕事上の事柄に翻訳している部分があると思う。その意味では、この本の8割は藤田君の力でできたようなものだ。

20年という月日を経て、人間力・麻雀力において成長した藤田社長が、どのように桜井会長の言葉を理解し、そして解釈したのかという物語だと考えるとより面白いかと思います。


負けの99%は自滅

桜井会長
わざわざ自ら負けようと思う人はいないのに、なぜ自滅してしまうのか。それは「勝ち」を求める思考や行動のあり方にすでに自滅の要素が含まれているから、としかいいようがない。「勝ち」に囚われるあまり、おそろかになってしまうものがどれほどあることか。
藤田社長
仕事のレースで脱落していく人を順番にあげると、①忍耐力のない人、②目標設定の低い人、③固定観念が強くて変化できない人、になると僕は思っています。
目標設定が低い人は、高い目標を掲げている人には勝ちようがないし、忍耐力が低いと、自分の力を超えて無理なことをし始めて自滅する。こうして言葉にすると当たり前のことですが、なるほどなと思います。私自身も社会人になって10年以上は経ちますが、目標設定が低い人とは随分と差がついたなと感じています。また、私自身の忍耐力が足りずに失敗したことも多々あり、そうした場合は確かに自ら自滅したことがほとんどでした。今後はそういったことの無いようにしたいです。


運の量は無限である

桜井会長
運は無限かもしれないが、それに恵まれるには正しい選択の積み重ねが必要だし、それに相応しい苦労や努力といったものが伴うということだ。
藤田社長
しかし成長とはわらしべ長者のようなもので、二乗作用が働くものです。はじめの頃は小さい勝負のステージしか与えられませんが、勝者にはより大きな勝負のステージが次々と用意されます。そこで毎回「正しい選択」と「努力」を続けているAさんは倍々ゲームのように伸びていき、気がつくと途方もないところに行っている。
私は一介の技術屋ですが、これはよく実感します。システムの仕事には大別すると二種類あって、新規開発と保守作業があります。新規開発を成功させると、評価も技術力も高まりますが、保守作業だけでは技術力はあまり向上しません。新規開発をする機会をどれだけ求めていくかが、技術者として成長していく上で一番大事なことになります。5年ぐらいのスパンで見た場合に、年収でいうと1.5倍以上の差はつくと思います。


悪手で勝つ誘惑を断てるか

桜井会長
悪い手を使って成果を手にした人は、「勝ったのだから」「これだけの成果を得たんだから」といって、悪手を間違った手と思えなくなる。悪い手にもかかわらず、いい手だと誤解してしまうのだ。
間違った流れが現れても、慌てて手を変える必要はない。その流れがしばらく続きそうでも、我慢して正しい姿勢を貫くのだ。そうすれば、やがて正しい流れは必ずくる。それが運を落とさない技術なのだ。
藤田社長
とくに周りのみんなが騒ぎ出して「これはチャンスだ」と思わせる流れは、冷静に一歩引いて見極めたほうがいいことが多いです。
これはソーシャルゲーム業界を見ていると納得しました。2011年頃からソーシャルゲームが流行り始め、多くの企業がそれに参加しました。しかし利益を上げた企業は、ほんのごく一部ですし、当時、莫大な利益を上げていた企業ですら、今は苦しんでいます。ソーシャルゲームは悪手だったのかもしれません。収益源を失った多くのソーシャルゲームの会社は苦しみながら、方向転換を迫られています。


こういった形式で、桜井会長の抽象的で難解な言葉を藤田社長が例をふまえて、簡単な言葉で説明していきます。小手先でどうこうという話では決してなく、本質的な話をされているので、是非、皆さんも手にとって読んでみて下さい。続きは次回のブログに書きたいと思います。

婚活体験記とオンライン英会話からみる男女関係

30代になり仕事も落ち着いてきたころ、彼女を探すために何度か婚活をやってみました。結果は惨敗なのですが、その様子と同時に、オンライン英会話で感じた男女関係についても合わせて書いてみたいと思います。


街コン

街コンとは、街の中のある決められた区画内で自由に男女がトークして出会おうという取り組みです。一時期、流行っていたので、私も例にもれず街コンに参加してみました。時間は3時間ぐらいで、多くの人は二人組みで行動します。価格は場所にもよりますが、6000円ぐらいだったと思います。

マッチングする方法は二つあります。一つ目は男性二人組が女性二人組に声を掛けて、区画内にある居酒屋で一緒に飲む方法です。これは女性が外見で判断する要素が強いため、意外と成功率が低く、断られることも多々あります。そのため消極的な男性はもう一つの方法をとります。居酒屋で座って待ち、入って来た女性と自然にマッチングする方法です。この場合は女性に拒否権は少ないため(断ることも可能)、マッチングする確率はグッと高まります。この方法だと外見はそこまで重視されず、男性の態度に問題がなければ、1時間ぐらい話して連絡先を交換してから店を出ます。あとは街コンが終わった後なり、後日に別のセッティングをする流れになります。ちなみに私のお勧めは二番目です。理由としては、せっかく高いお金を払っているので、行きたい居酒屋で飲食を楽しみたいということと、前者の方法だと仮に女性をゲットしたとしても、その後で4人で入れる店が無いこともあるためです。

街コンでは1時間トークできるので、それなりにお互いのことがわかります。仕事や趣味、出身地、その他テンプレート的なことを話す時間は十分にあります。最初の出会いとしては、まずまずなのではないでしょうか。

婚活パーティー

婚活パーティーは、20 人の男性と20人の女性が一つの部屋に一緒になって一人づつ順番に話していきます。価格は6000円ぐらいで、飲食物はウーロン茶が出るだけです。一人と話す時間は6分ぐらいです。一人の女性と6分間話したら、席を一つ移動して別の女性と話します。それで6×20人の合計で2時間話すことになります。それが終わるとマッチングタイムがあり、男女それぞれが上位5人を選んで、マッチングすれば二人でデートに行きます。

婚活パーティーでは6分でお互いが自己紹介をするので、時間が全く足りません。これは正直なところ、外見勝負です。料金を考えると悪質なサービスに思えますが、外見重視の人にとっては効率がいいのかもしれません。

オンライン英会話(英語に関する話は無視)

毎日、自由に話したい女性と話すことができます。価格は150円/25分ぐらいで、一ヶ月で5000円ぐらいの計算になります。最初の数回はテンプレート的な内容になりますが、レッスンを重ねるにつれて、次第に身近な事柄や特定の記事について、生活習慣、宗教観など様々なことについて話すようになります。先生の選択方法ですが、最初は容姿で選びがちですが、容姿がよくても会話が合わない女性を何度も予約することはありません。これは私だけでなく、多くの人がそうすると思います。短時間に限れば、容姿は大事かもしれませんが、会話を重ねるごとに容姿はあまり大事ではないことに気付かされます。

真剣に三つを比較した場合、みなさんならどれを選びますか?私はダントツでオンライン英会話を選びます。街コン、婚活パーティーに参加している時に思ったのが、これはオンライン英会話で言うところの最初の25分、「nice to meet you」から始まって自己紹介する最初のレッスンをやっているだけだなということでした。そう考えると馬鹿馬鹿しくなって、それらに参加することを止めました。

人と人がわかりあうのにかかる時間は、いくらあっても足りないないぐらいで、ましてや1時間やそこらで何がわかるのかという話です。もちろん、自分の理想となるパートナーも見えてきません。色々なことを話しているうちに、「この人のこういうところがいいな」とか「こういう風に考えるんだ」といったところがわかるようになり、好きになっていくのが理想です。今の日本の婚活だと、上辺だけしかわかりあえないので、男女の理想が無駄に高くなっているのが現状ではないでしょうか?その結果として少子化社会になっている側面があるのですが、このままでは将来的に誰も幸せになれなません。

お互いに話す時間が増えて相互の理解が深まっていけば、パートナーを探すにあたって年収や容姿などの条件はかなり下がっていくと思われます。オンライン英会話のような関係性を日本人男性と日本人女性の間で作れれば、より幸せな日本社会が形成されるのではないでしょうか。

フィリピン人女性と日本人女性の違い

オンライン英会話を通して知った、フィリピン人女性と日本人女性の違いについて紹介したいと思います。ただ、予めことわっておきますが、オンライン英会話の先生というのはフィリピンではよく教育されている人達なので全てがそういう人達ではありません。


フィリピン人女性はよく働く

フィリピン人女性は、日本人女性に比べてよく働きます。早朝からでも働くし、深夜の時間帯も働きます。彼女らが20代ですでに一家の大黒柱となっていることもありますし、両親や兄弟を支えていることすら珍しくはありません。その背景にあるのは、女性の方が職につきやすいということです。看護婦、コールセンター、オンライン英会話の先生、メイド、KTVなどは女性の方が職につきやすい仕事です。フィリピンでは生活保護はないので、稼げないと生きていけません。ですから男女に関係なく、稼げる人が一家の大黒柱になります。

またフィリピンは共働きをしやすい社会環境ということも背景にあると思います。どういうことかと言うと、住み込みのメイドを一ヶ月に1、2万円で雇えます。家事や子守りはメイドにやらせて、夫婦は共働きするという環境が簡単に手に入ります。格差社会と男女平等は相性がいいなと思います。翻って、日本人女性には一家の大黒柱になろうという気概は感じられません。男が稼ぐのが当たり前で、それをサポートしつつ女性も稼ぐというのが今時のライフスタイルです。また社会環境も整っていません。夫婦が共働きをしたら、誰が家事や子守りをするのでしょうか。これまでのように女性が面倒を見るのか、それとも男性が代わりにやっていくのか。私はどちらでもいいと思っていますが、男性が稼ぎの主体である間は、フィリピン人女性と日本人女性には大きな違いがあると思います。男女平等と格差が少ない社会は相性が悪いようです。

フィリピン人女性は外国人が好き

フィリピン人女性は外国人が好きです。これは日本人女性が欧米人を好きというのとは、意味が少し違います。日本人女性の場合は、ルックスで欧米人男性を選択しがちですが、フィリピン人女性はルックスというよりは豊かさを手にいれるために外国人を選択しています。外国人と結婚すれば、簡単に外国に行けるようになります。また、男の稼ぎはフィリピン人に比べたら高給なので、豊かな生活を享受できます。

結婚後のライフスタイルは様々で、結婚した後に夫婦で男の国に行く、男だけが海外で単身赴任、フィリピンで夫婦で暮らすなどがあるようです。そんなわけで日本人男性というだけで、フィリピン人女性からは好意的に思われます。話は少し変わりますが、2013年の海外で働く人のフィリピンへの送金額は約2兆3000億円だったので、いかに高額かがわかります。

フィリピン人女性は年の差婚を気にしない。

フィリピン人女性は旦那との年齢差や、相手の結婚歴をそこまで気にしません。年齢差があっても、相手に経済力があればそれでいいという話です。日本人の場合だと男性と女性の年齢差が4歳以下の人が80%を占めます。フィリピンでは街を歩いていると、30歳ぐらいの年の差カップルを見ることがあるとよく聞きます。フィリピン人自体も30歳ともなると、あまりよくは思わないようですが、それでも貧困という社会がそれをさせるのでしょう。


日本人女性にとっての結婚はパートナー探しの意味合いが強く、フィリピン人女性にとっての結婚は生きていくという意味合いが強いということのなのだと思います。