ある大手の会社(従業員が1000人以上)で、ある事件がありました。そのオフィスには「オフィスグリコ」のお菓子の箱があって、100円払えばお菓子を自由にとっていい仕組みになっています。売り子はいないので、お金を払わないでお菓子をとることもできますが、多くの日本人はそういうことはしないので、お金の回収率は90%以上だと聞いたことがあります。ところが、その会社では回収率が70%を切りました。給与は、業界でも高い方なので、その意味では二重に不思議です。その時に役員は怒っていました。「このように信頼性が欠ける状態では、いい仕事ができない」といった内容だったと思います。その役員は部下に対して「お前ら、モラルがなってない」と言っているわけです。そのこと自体は正しいのですが、そこで1度、立ち止まって考えてみるべきです。果たして、「あなたがたは『モラルを大事に、人を大事にする社風』を育もうとしてきたのか」ということをです。その会社は業績が悪くなったら、まだ黒字にも関わらずリストラをしていました。そこの社長は、民事裁判で女性から訴えられていました。ある役員は部下に対して、「仕事ができるとか勘違いしてない?」とか発言していました。残念ながら、その発言には生産性は全くありません。。。社員の1人1人に聞いたら、そんな話は沢山あると思います。また、オフィスグリコ事件があった後に、社員同士で「うちの社員だから、そんな事件があっても不思議ではないよね」という話もしていました。つまり、役員の人達が作った社風の中で作られた社員が、オフィスグリコ事件を引き起こしたと、私は考えています。
その話は、グループの規模には関係なく、どんなグループでも同じだと思います。もし部下に対して気に入らないことがあれば以下の点を確認してみるべきです。
- 問題点は自分の鏡ではないか?
- しっかりと教育できているのか?
- 部下を大切にしているかどうか?
- 部下に対してヒドい言葉を使っていないか?
それを確認したあとで、それでも部下がしっかりとできていないのであれば、その時に初めて諦めればいいと思います。きっと、その部下は本当に使えないのでしょう。
自戒を込めて、この文章を作成しました。
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